第56回
(話題) 東京都の都市計画と河川運河
(要旨)
明治期の東京改造計画である東京市区改正では、河川運河の新鑿(しんさく)・改修について100年大計論と当面必要論と賛否激論が交わされた様子や計画の変遷を、また、震災後の帝都復興事業では大正期の舟運の状況や運河沿い道路の廃止・各種規定の設定に公園計画なども交えて運河や水辺の経済的・修景的利用計画の変容を、また戦前・戦中時においては、緑地計画・防空都市計画における河川運河の位置付けや江東十文字運河の提案などを解説した。更に戦災復興事業の運河計画と陸上輸送の復旧発展によるその変化を豊富な資料と図面を駆使して論じ、加えて明治以降の「河岸地」の変遷にまで言及した。
港湾計画との関連・強制疎開と緑地、江東十文字運河の真意と水運の構想、運河計画と道路計画との関連性などが中心となった。