第47回
(話題)  江戸図屏風にあらわれた風俗
(要旨)
出光美術館蔵「江戸名所図屏風」に描かれたファッションを中心に進められた。名所図と題されてはいるが作者の興味は風俗・人物にあり、そこには慶長小袖的意匠の流行、鹿ノ子絞り、小紋染めの普及がうかがわれる他、縦縞の初期的流行が見られ、また、寛文小袖の原型が登場する一方、限定はされてはいるが具象的モチーフも出現していることを指摘された。更に、遊女歌舞伎を描いたとされるが中剃があるところから若衆歌舞伎と判定され制作年代は一般にいわれるよりもっと下がるのではなか、との新しい見解が示された。
歴史民俗博物館蔵の江戸図屏風との比較やその制作年代にまでおよぶ議論があった。