第167回
(話題) 再考−小木新造の江戸東京学
(要旨)
小木新造江戸東京フォーラム委員長の出版を記念してフォーラムを開催した。1983年、小木委員長によって提唱された「江戸東京学」は、当時画期的な出来事であった。日本の近世から近代への大きな変遷期を扱うのに、都市「江戸東京」の連続性を「東亰(とうけい)時代」という言葉とともに新たな史論が提示され、我々に新鮮な視点が与えられた。
陣内委員から、小木委員長が提唱された「江戸東京学」の社会的背景、その特徴、そしてその経緯が関連の出版物を紹介しながら、発表された。
パネリストからは、地域研究・社会史としての「江戸東京学」の位置づけ、自身の研究と「江戸東京学」との関わり、小木委員長の研究姿勢や、プロデューサーとしての資質、東京への熱い視線が述べられた。
討論は、幅広い分野からの参加者とともに「江戸東京学」の原点を考察し、その経緯を、負の部分も含めて検証し、今後の課題を述べ合い「江戸東京学」を再考した。「江戸東京学」と「江戸東京フォーラム」の更なる展開を探るフォーラムとなった。
小木新造委員長の出版物
●著作集「江戸東京学」
●論文集「『江戸東亰時代』の生活と政治」