第120回
(話題) 明治の歌謡にみる東京
(要旨)
第94回の江戸東京フォーラムでは、「歌謡曲のなかの東京」と題して、大正後期から昭和にかけて歌謡曲を紹介された。今回は明治期を中心に、参加者は戦後に吹き込まれたものであるが、明治の歌謡曲を聴きながら、フォーラムを聴講した。
日本で最初のレコード吹き込みが行われたのは明治36年(1903)だった。英国グラモフォン社が東京に技師などを派遣し、ホテルで録音したと言われている。このことから、それまでは録音装置というものはなくて、すべて口から口へと伝わっていたものと考えられる。
江戸時代に歌われていたものが、東京になってから姿をかえて、新しい姿で登場してきたものや、東京の工場の煙突を歌ったものが、九州の炭鉱節の中に歌い込まれているものもある。後者についてはその逆かもしれない。
歌謡曲のなかで明治の東京がどのように歌われていたのかが言及された。