第115回
(話題) 東京都都市景観マスタープラン−新たな景観まちづくりへの展開−
(要旨)
平成6年(1994)5月、東京都は美しくうるおいのあるまちづくりを総合的・計画的に推進するために、「都市景観マスタープラン」を発表した。マスコミからは殆ど注目されることはなかったが、都議会を初め区市町村や関係諸団体からは好意的に迎えられ、その後各分野での景観まちづくりの強力なバックボーンの1つとなっている。
マスタープランでは景観形成のために3つの目標を掲げている。自然をとりもどす、歴史と文化を伝える、多様な魅力を発展させる、さらに目標達成のための10の指針を示している。景観形成の枠組みとしては、(1)8つの景観ゾーン、(2)11の景観基本軸、(3)歴史的建造物・公共施設・大規模開発等の景観拠点といった3つの観点から、景観形成の基本方針を提示している。
東京都ではこのマスタープランの実現に向けて、平成9年(1997)度中にも「都市景観条例」を制定すべく、現在委員会を設置してその内容が検討されている。