カリキュラムデザイン 解説と活用法
住教育と各教科の教育課程がつながる意味
住教育という領域や単元は、家庭科以外にはありません。当然、学習活動のなかにおいて評価される場所もありません。しかし、小学校から高等学校までの教育課程を俯瞰してみると、文字どおりの生活科や図工美術科、社会科の領域で、明らかに住教育、あるいは身の回りの生活に目を向ける単元や活動が含まれていることに気づきます。これらを基に、家庭科や他教科から、住環境や暮らし方に何らかの形で影響を与えていると思われる単元や題材を取り出し、学年を通して並べました。こうしてできたつながりを見てみると、実に多岐にわたって、住教育が行われていることがよくわかります。
このことは、普段授業を行っている先生自身、あまり気づいていないのではないでしょうか。
教科の存在意義を問われた場合、多くは学習指導要領の教科の内容と目的からその意義を見出します。しかし実際は、本活動が示す住教育に限らず、生活や暮らし、社会、最終的には生き方に関る部分で、様々な教科がその役割を果たしています。今、学校で行われている教育活動は、このように多くの隠れた意義を含みながら行われているのです。将来にわたり、実際の生活や社会に影響を及ぼす各教科の学習活動がこれほどあったことは、住教育を基に各教科を調べてみて明らかになりました。他の領域においても、同じようにつながりがあると充分考えられます。
このカリキュラムデザインは、住教育からの視点を持ち、教科性を見直してみるよい機会になります。改めて、自分が専門とする教科領域について、実際の社会生活や生き方の視点から、教材や題材の開発を試みてください。
住総研住教育推進委員
江東区立越中島小学校 主幹教諭
大道 博敏
カリキュラムデザインの解説
ここでは小学校三年生の社会科と図画工作科をもとに、住教育とのかかわりを見てみます。